* 竜の眠る国 *
聞きながら、ドレスを脱いでいたことを思い出した。
慌てて見ると、淡い緑色の布が私の体に巻かれていて、ひとまずホッとした。
けど、次の瞬間には、“誰が”私の体に布を巻き付けたのか、不安になる。
……少し離れた場所にいる人達は、“男性”ばかり。
水浴び中に溺れた私を助けてくれたらしい話をしているこの人。が、この布を……?
目の前の人は、透き通るような銀色の髪を一つに縛り、肌は白くきめ細かい彫刻のようで。
切れ長の大きな瞳は、海より深いブルーの瞳。
格好は、中世のヨーロッパの騎士のような姿だった。
そして、恐ろしく綺麗な顔で今、私を見下ろしている。
その姿に、私は言葉を失った。
「この湖で何をしていた」
真顔、と言うより、もしかしたら怒っているのかもしれない。
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