* 竜の眠る国 *
*1*
鳥の鳴き声、風の音。
ゆっくり瞳を開くと―――
「……あ、れ…?」
真っ青な空が広がっていた。
夢を見ていたはずなんだけど……どんな夢だったっけ…?
目を開く瞬間まで見ていた夢。
なのに、今はすでに忘れてしまった。
体を起こすと、庭のベンチで本を読みながら眠ってしまったらしい。
堅い木のベンチで眠ったせいか、体のあちこちが痛い。
「ん…っ」
体をゆっくり伸ばす。
「ユウナ!」
その呼び声に、目を向けた。
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