* 竜の眠る国 *
「無理無理無理――っ!」
叫びながら、恐怖のあまり体が震えだした。
ユリアン以外の従者達は、そんな私を面白がり、ある人は呆れた顔で見ていた。
後ろで私を支えていた彼が、私を見て哀れに思ったのか、ゆっくり腰に手を回し、私をしっかりと抱き締めた。
「絶対に落としたりしない。
だから、安心して」
耳元で響く彼の声に、スッと体の力が抜けていく―――…
「――よし。出発だ」
彼の声とともに、蝶々は美しい羽を広げ、青い空へと飛び立った―――…
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