lastらぶ
『あたし、もうそろそろ帰るね。』

「うん!送ってくよ!」

『ありがとう』


涼ちゃんは、私の家まで送ってくれた。

たった100mくらいの距離だけど…

『ありがとね!ばいばい』

「うん!ばいばい。明日ね」

『うん!明日ね!!』


そう言って、帰って行くのを見届けようと、

ずっと手を振ってた。

涼ちゃんもずっと後ろを振り返りながら手を振ってた。




車が一台、猛スピードで走ってきた。

『あぶっっ』

涼ちゃんは私のほうを見て、手を振ってくれてた。

私の顔が変わったのを見て、“えっ?”って言う顔をした。

『あぶっっ!!!』

危ないと言いたいのに、声が出ない。


その車は1人の子供も全く気にせず猛スピードで走ってきた。

「キャーーーーーー!!!!!!!」

―ドンッッッ


『涼ちゃぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…あーーーーーーーーーーーーーーーーーん』

涼ちゃんはその車に飛ばされていた。

その車はその勢いのまま、走り去ってしまった。


私は泣き叫びながら、

“涼ちゃん涼ちゃん”“お母さんお母さん”

と繰り返しながら、涼ちゃんの元に走っていった。




























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