lastらぶ
「おはようございます。今日は…都築さん…が…欠席ですね。はい。今日も頑張りましょう。」

私は気づかなかった。

先生の目が、赤くなっていた事に。。


私は涼ちゃんのケガが少し治らなくて、休んでいるんだと思い込んでいた。

その日の一日は、1人で過ごした。

明日からまた、涼ちゃんが来てくれるって思ってたから。




家に帰ると、お母さんが黒い服を着て待っていた。

「厚知、これ着て。」

そう言って渡されたのは、お母さんのよりも少しかわいい、真っ黒な服だった。

お母さんのしてる、白い真珠がうらやましくて、ずっとそのネックレスを見つめていた。

するとお母さんは、自分の部屋から、おもちゃのネックレスを持ってきてくれた。

それに喜んで、笑顔な私だった。


「厚知、行くわよ。」

車に乗り込む。

お母さんが運転する。

私は助手席。

1時間くらいだっただろうか。

すごい大きな建物にたどりついた。

“○●ホール”

という場所。


私たちが入ろうとしているところの隣からは、

同じように黒い服を着た人たちがたくさん出てきた。

みんな、ハンカチで目を押さえて、声をこらえて泣いていた。


「お母さん…おか・・あ…さん…」

そんな声がたくさん聞こえる。

何があったんだろう…。



何も分からないまま、ただ、お母さんに手を引かれて建物の中に入っていった。





























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