春【完結】











足音が聞こえなくなって、あたしはようやく目を開けた。








暗かった。








あたしも、彼も分かってた。







あたしが悪いわけでもなく、凌が悪いわけでもない。







原因はない。








ただそうゆう時期だった。







あたし達が別れを口にしなければいけない時期だった。







あたしはまだ彼を好きで、彼もまた、まだあたしのことが好きだ。







別れたくなかった。







けれど別れるべきだった。







彼と過ごした時間は幸せすぎた。










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