赤鼻のトナカイ
そのとき。
「すみません。親父がこちらで、ケーキを予約したって聞いてきたんですが」
背後から声をかけられ、振り向いたわたしは、そこに水島くんの姿を見つけた。
呆然と見つめるわたしに、水島くんが、頭をかきながらつぶやく。
「本当はおふくろが頼まれたんだけれど、どうしても俺が取りに行くって言って」
うっかり見つめ合った状態になり、固まってしまったわたしへ、水島くんは照れた笑いを浮かべた。
「ねえ。俺、中学時代の同級生なんだよ。覚えてるかな? ――実は、前からきみが、ここでバイトをしているのを見かけていてさ、ずっと声をかける機会をうかがっていたっていうか……」
「すみません。親父がこちらで、ケーキを予約したって聞いてきたんですが」
背後から声をかけられ、振り向いたわたしは、そこに水島くんの姿を見つけた。
呆然と見つめるわたしに、水島くんが、頭をかきながらつぶやく。
「本当はおふくろが頼まれたんだけれど、どうしても俺が取りに行くって言って」
うっかり見つめ合った状態になり、固まってしまったわたしへ、水島くんは照れた笑いを浮かべた。
「ねえ。俺、中学時代の同級生なんだよ。覚えてるかな? ――実は、前からきみが、ここでバイトをしているのを見かけていてさ、ずっと声をかける機会をうかがっていたっていうか……」