赤鼻のトナカイ
最初に気がついたのは、レジに並ぶお客さんが途絶えて、ぼんやりと周りを見渡したときだった。
わたしは、大学が休みでバイトを入れていた、日曜日の昼間の3時どき。
彼は、お店の黄色い買い物かごを持った、同年代のお客さんだった。
――どこかで見たことがある顔のような……?
「ねえ、千絵美《ちえみ》さん。どうしたの?」
小首をかしげたわたしの視線に気づいたらしく、一緒にバイトをしている女子高生の鳥羽《とば》ちゃんが、レジ下の白い買い物袋の補給をしながら訊いてきた。
「え? あ、なんか知っている人のような気がして……」
そこまで口にしたとき、あっと彼の顔に思い当たった。
彼は、わたしと中学校が同じだった同級生ではなかろうか?
わたしは、大学が休みでバイトを入れていた、日曜日の昼間の3時どき。
彼は、お店の黄色い買い物かごを持った、同年代のお客さんだった。
――どこかで見たことがある顔のような……?
「ねえ、千絵美《ちえみ》さん。どうしたの?」
小首をかしげたわたしの視線に気づいたらしく、一緒にバイトをしている女子高生の鳥羽《とば》ちゃんが、レジ下の白い買い物袋の補給をしながら訊いてきた。
「え? あ、なんか知っている人のような気がして……」
そこまで口にしたとき、あっと彼の顔に思い当たった。
彼は、わたしと中学校が同じだった同級生ではなかろうか?