にゃんこ男子は鉄壁を崩す
「よいしょ」
ふぅ~~~~ッ! かなりの雪だ。ベタ雪でなかなか捗らないし、持病の腰痛がまた痛い。それにさっきの靴擦れを起こした足がとてつもない悲鳴を上げている。だからってこんなことで弱音を吐く私じゃない。
あずちゃんが来れない時は私が頑張らなくちゃ!さあ、もうひと踏ん張り! 私はスコップに大量の雪を積んで持ち上げた。途端にグキっと腰に激痛が走る。
……マジッ?! スコップを落としてしまい、折角運ぼうとしていた雪はまたばらまかれた。
「イッタ…………」
涙が出るくらいの激痛に顔を顰めて四つん這いになってしまった。とてもじゃないけど、一人で立てない。
「由比子さんッ!」
「ひ、火伊くん……助けて」
あんまり弱音を吐かない私だけど動けないのだから頼るほかない。火伊くんはうちの大事なママさんダンプを投げ出して(丁寧に扱え!)私の方に走ってきた。
「大丈夫ですか! 立てますか。背負った方がいいですよね」
「背負うとか無理……衝撃に耐えられない。肩貸して」
火伊くんの大きすぎない身長がちょうどいい。少し屈んでくれるだけで松葉杖とまではいかないが、かなり歩きやすかった。ミィコ小宮なら、背が高いからそうはいかないだろう。
……って!! ミィコは関係ないし!