にゃんこ男子は鉄壁を崩す


「うーん……あるかも?」


 心の中では。知るかよ、そんなん。なんて思ってる。それに頭の中では洗濯機の中の洗濯物みたいにぐちゃぐちゃで……えーと、待って? つまり、ミィコと仁衣菜ちゃんはセフレってこと? 



 なんだか胸の奥が気持ち悪い。どうしてミィコなんかとキスしてしまったんだろう。チャラいだろうなってのはわかっていたのに。



 ミィコのキスはいつも突然だけど本当なら拒絶するこもできたときがあったんじゃないか、とか思う。




 ミィコがベランダに侵入してきた時に見せたスマホの画像が脳裏にまざまざと浮かんだ。あれは仁衣菜ちゃんだったんだ。私のペチャパイとは違って豊満な胸は。チラリと横を見ると確かに仁衣菜ちゃんのおっぱいは大きいのがアンサンブルのニットの上からでもよくわかる。




 私は惨めな気持ちになり、俯いた。




 ――――創作体験者の前で講師の松川先生が大体の今日の内容について説明を始めている。その間もミィコが私を見ているような気がした。




 勿論、仁衣菜ちゃんとミィコのことを知ってしまってから目を合わせるつもりなんて毛頭ないけど。



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