にゃんこ男子は鉄壁を崩す
「あの、離してください」
整った顔立ちの男の子に腕を掴まれてしかも男の子3人に囲まれては逃げるに逃げられない。明るい茶髪の男の子が顔を突き出して「俺たちさぁ、とーっても貧乏なの。貧乏! 可哀想でしょ」と、憎たらしい物言いをする。
もうひとりの子は金髪でシルバーアクセをゴロゴロつけていかにも不良って感じだ。いかにもって感じ。
「そうそう! 遊ぶ金、全然ないんだよね!」
つまりは生活に困っているわけではないけれど、遊ぶ金を楽して稼ぎたい、と。社会人を舐めんな、ガキ! 金ってのはなぁ、汗水たらして稼ぐから有難いんだよ! 自分で稼いだ金で生活するから食べ物だって美味しいし、モノを大切にしようって思えるんだよ!
そんなことわからない奴に金を使う資格なんてない! とは流石に3対1のこの状況では言えない。だけど、こういう時はNOを言えない私でもNOと言う!
「知りません、そんなこと!」