にゃんこ男子は鉄壁を崩す


「昨日は! サンマとビールありがとうございました!」

「いえ、どういたしまして。俺、急ぐんで」


 爽やかな笑顔を残していったもののなんだか軽く怒っていたような? 彼の冷たい態度に他人と言えどおそらく私が怒らせたのだろう、と思うと若者だろうが男だろうが、どうにかしたいと思う。

 やっぱりおにぎり渡してご機嫌とっておこうか! でもでも! いきなりおにぎりって変じゃない? 『何このオバサン』とか思われたら嫌だし!



 私のことなんかに目もくれず、早足で歩く彼について行くのは気が引けてやっぱり意気地なしの私はそのまま見送ってしまった。





 …………いやいや!! おにぎりは自分で食べるために握ったんだよ!



 4個食べるんだから!



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