にゃんこ男子は鉄壁を崩す
私の様子を窺うように上目遣いで私を見るミィコ。腹が立っているはずなのに、そんなミィコを見るとなんだか可笑しかった。
私は顔を近づけてミィコの額を合わせる。やっぱりちょっと熱いな。上目遣いで見るミィコ。ズルイ奴だと思いつつ、憎めない。私は冷えピタを持ってきてミィコの額にべしっと叩くように貼り付けてやった。
「イテッ……由比子、乱暴……」
「ここまでやってあげてんだから、有り難く思いなさい」
「ハイ……」
シュンとする姿にいつそんな甘えん坊の子猫みたいなキャラになったのだ、と考えるけど可愛いものは仕方がない。
薬を飲んで安心したのか、水分を摂ったからなのか、暖かい部屋に戻ってきたからなのかはわからないけれど、幾分かはさっきよりもミィコの元気が戻ってきたようだ。ミィコは徐に起き上がって渡したパジャマを広げる。
「俺、まだ着替えてないし。見ててもいいけど、ちょっと恥ずかしい、かな……」
「えッ……?」
そう言うと私が目を逸らす前にミィコは上の服を脱ぎだした。均整の取れた筋肉と若々しい肌に目を奪われる。いや、歳取ると「キャー」とか言う前にじっくり見ちゃうのよね、じっくりと。
綺麗なものは見れるときに見とくべし!
「まだ見たい? 」