にゃんこ男子は鉄壁を崩す


 なんかね? 逃げようとしていた私だけど、ミィコの嫉妬がなんだか嬉しくて顔がニヤけた。そういう顔好き。私のために端正な顔を歪める君が。



「聞いてんだけど。何が可笑しいの、由比子」



「いや、何がって言われても」



 クックックと肩を揺らしながら笑う私が気に入らない様子のミィコ。それがまた可笑しくて。答えようかと思うけどミィコのその顔が愛しくてまだ見ていたいと思うと、ただ一言、『火伊さんじゃないよ』と言えない。



 ニヤける私と眉に皺を寄せるミィコ。対照的な私たち。




「なんかムカつく」

 そう言うと軽く引き寄せられてミィコと更に距離が縮まった。起き上がったミィコはクックッと声を押し殺して笑う私を押し倒して上にに跨った。上になったミィコの表情は険しいままだった。




 おおおおおお前は病人だろ! こんなことしていいと思ってんの! いくら私でもこの状況、全然笑えない! 笑いは完全に止まってミィコを見つめた。



 笑っていた私だけど、流石にこれはちょっと!



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