にゃんこ男子は鉄壁を崩す


 ちょっと、どうしよう。

 拒むべき? 受け入れるべき? このまま受け入れちゃったら、私ってセフレ決定みたいな? だったら、拒むべきでしょう! 



 グッと手に力を入れてシーツを掴んで起き上がろうとしたら、手を絡められて阻止された。




「……ミィコ?」

 手は強く絡められたままだけど。なんとなく。ミィコって無理強いするタイプじゃないな、と思うので、できればミィコの本心が知りたい、と思い、拒んで怒り狂うっていう選択はナシにした。




「……くなよ……」

 消え入りそうな小さな声に私は顔を顰める。今、なんて言った? だから、聞き返した。




「え? 聞こえないんだけど」



「由比子、行かないで」


 今度ははっきりとそう言った。泣きそうな顔で懇願するミィコ。



 うげ、その顔、ちょー好き。好きな男がこういう顔するとめっちゃ萌える! もっと困らせたくなっちゃうんだけど!




 私のためにそんな顔してんの?

 私のためにそんなこと言うんだ? 




 またニヤけそうになるのを必死に堪えた。




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