にゃんこ男子は鉄壁を崩す
「う、うん! 私! ……風邪どう?」
立ち去ろうとしたときに呼び止められたので胸がドッキーーーー! と跳ね上がった。ロボットダンスするみたいにカチコチになる私だけどそんな私にはお構いなしにミィコは勝手に話し出す。
「まだ微熱はあるけど……中入って」
「…………うん」
柄にもなく素直に『うん』と言ってしまったのはやっぱりビーグルとあずちゃんにさせられた約束のせいだったりする。素直にうん、と言えた自分に驚きつつもミィコの部屋に入った。
風邪を引いているというのに料理はするし、部屋も片付いているミィコ。朝ごはんを作っていたはずのキッチンも綺麗に片付いていた。
「これ、ありがとう」
私が差し出した容器が空になっているのを見ると笑顔になったミィコ。
「サンドイッチ、美味しかった?」
「うん」
コーヒーとホットミルクを淹れたミィコは視線でこっちへおいでと誘導する。テーブルに飲み物をそっと置くと、ソファに座って自分の横をポンポン、と叩く。私も告白するために落ち着きたかったので素直にミィコの隣へと座ったんだ。