にゃんこ男子は鉄壁を崩す


 絶対にそんなことあるはずない、と思ってた。いや、ミィコの好きは女の子みーんな大好きの好きかな? セフレとして好きだよ、の好きかな? お隣さんとして好きだよ、の好きかな? 友達、としての好きかな? 考えれば考えるほどわからない。




 ミィコの好きは本気の好き…………? 




 ミィコの瞼が閉じられて顔が近づいてくるとこれはいつもの軽いチューじゃないと推察されるけど、それを受け入れていいのか、悪いのか! だからこんな曖昧な返答に。




「きょ、今日はちょっと……」

「んー?」

「今夜は『深夜のダラっとテレビ』見ないと……」

「それ、録画してあるけど」

「え、えーーーと今日は生理で……」




 うわ、ありきたりすぎて嘘バレるかな? あずちゃんから言わせると私は大根役者もいいとこらしい。




「ふぅん……」

 不貞腐れたようにまた膝の上に寝たミィコはそのままテレビを見始めた。結局、生理になってしまった(嘘だけど)私はそのまま何もせずに帰る。ミィコの家に何しに行ったんだろ、ヘタレな私は。



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