にゃんこ男子は鉄壁を崩す


 なんの解決策も見いだせぬまま15時になった。仁衣菜ちゃんは今日もちゃんと来た。気に入らないことがあったからといって無断欠勤するような子じゃなくてちょっと見直した。




 でも、無言。何か話さないと、と思うけど。やっぱり私は彼女に仕事を振るしかない。




「仁衣菜ちゃん、売れた分の品出しお願い」



「はい。由比子さん、私……」

「え……?」




「もう一度、小宮さんに告白しようかと思ってます……」

「ええ!!」


 ライバル宣言をお互いにしたのだから、告白したっていいのだけれど、昨日告白しようと思ってできなかった私はすごく焦る。汗と焦りでダラダラだよ!



「え?」

「いや、あの!」

「由比子さんは気持ち伝えたんですか?」



「まだ……」

「じゃあ、私にもまだ可能性あるんだっ! 身体使ってでも小宮さん、振り向かせてみせますから!」




「ええーーーーッ!」

 それ、マズイ。絶対、マズイ。若さには絶対負ける。胸の大きさもどんなに胸パッド詰めても敵わない! 



 マズイよ、マズイ! ミィコはきっと仁衣菜ちゃんの身体は大好物だ! あの時、やっぱりセックスしときゃよかった? 気持ちも確かめないまま? 




 いや、それは絶対イヤ! 

 だけど仁衣菜ちゃんとミィコがセックスするのもヤダ!



< 244 / 281 >

この作品をシェア

pagetop