にゃんこ男子は鉄壁を崩す


「あずちゃん、プンプンなんてしてないよ。ただ、ほっぺに空気が入っちゃっただけ」


「何その、変な言い訳。言い訳にもなってないぞ。さあ、今日も日課の例のヤツやらないと!」


「……」


 あずちゃんは私と一緒にこの雑貨屋さんを経営している。元々、彼女とは十年来の親友で。数年前に彼女と一緒にこのお店を開いた。最初はどうなることかと思ったけど意外にご近所さんが買いに来てくれる。


 若い人向けにと思って開いた店だけど実際に買っていくのは上品なオバサマ連中。勿論、若い人も来てくれるけど彼女たちが買うのは専ら小さなストラップやアクセ類。

 大きなものを買ってくれるのはやっぱりオバサマだ!大感謝、オバサマ~!だからオバサマ連中が大好きなガーデニング類も幅広く取り揃えて素敵な庭も作った。



 だから朝早く来ればあずちゃんと一緒に草むしりが日課になってしまったんだ。



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