にゃんこ男子は鉄壁を崩す


 だけど、ミィコは『何にもしないけど、抱っこして寝たい』というので一緒の布団に入った。女の子の友達のように一晩中、話をして。




 お隣の神代さんはきっと今頃エッチしてるよ、とか松川センセと奥様もきっと……とか不貞腐れているミィコが可愛くてまた笑った。




 でも、言えず! やっぱり好きって言えず! 




 そのまま寝てしまったミィコ。

 ――――朝は私の方が早く起きた。ぐっすりと眠るミィコの前髪をそっと避けると「好きだよ、ミィコ」と呟いてみる。ミィコは起きる様子がない。漫画だったら、ここで起きてガバっとチュウそのまま押し倒されて……なんて展開だろうけど現実そんなに甘くない。




 だって寝ているのは気まぐれ悪戯好きのミィコ。そんな展開恐ろしすぎる。一緒の食卓でサラダやおかずをつつくミィコ。寝癖をピョン、と立たせながらニコニコするミィコはやっぱり可愛い。




 結婚、なんて考えてないけど。35歳の私は付き合う相手が何歳かってやっぱり気になるところ。間違っても結婚なんて考えてません!




 若い彼に好き、という言葉を伝えることは難しいけど……



 
 自分を納得させたいのかもしれない。





 だから、君の歳を聞かせて……?




「そういえばミィコって何歳なの?」




「んー、俺の歳はね……」




 end


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