にゃんこ男子は鉄壁を崩す
「飲めば?」
そう言って私が差し出したのはこれまた気に入って仕入れている茶葉で淹れたアッサムティー。ガラスのティーカップに濃い茶色をした綺麗な色がよく似合う。その温かなアッサムティーにミルクを注ぎ入れると軽くスプーンでかき混ぜた。
「おわ、美味しそうッスね。いただきます」
鼻を赤くしたビーグルは素直に飲み始める。
「火伊くん。今日は電話のこと確認しにきただけ?」
「ああー……ハイ」
少し気まずそうにするビーグルに私は続けて話した。どっちかといえばスマホを頻繁に見る方じゃない。毎度、これでは先が思いやられる。ちゃんと言っておかなければ。
「心配かけてごめんね? でも、付き合っているわけでもないのに、こういうのは変だね」
「……ッ……付き合ってくださいって言えば……付き合ってくれるんですか」