にゃんこ男子は鉄壁を崩す
――――午後3時。私の隣にはすでにニコニコ笑顔の仁衣菜ちゃんが。
「まずは……何してもらおうかな……」
「ハイ! なんでも!」
元気よく愛想のいい仁衣菜ちゃん。私たちの店の赤いカラーのエプロンがよく似合う。基本的にはレジには触らせず、主に包装や棚の整理を手伝ってもらう。どんなにいい子、と思ってもなかなか信用できない。
今の子は窃盗が当たり前なようで純粋そうな子でさえレジのお金に手を出そうとするのだから、それならばレジ作業を任せないのが一番だ。レジを離れるときは必ず、レジのキーを抜いてから離れるというのが癖になるくらい。
どんな子でも信用しすぎちゃいけない、このことがこの店を始めてバイトを雇うにあたってあずちゃんと話し合ってきたことだ。
それよりも今、一番の仕事はクリスマスの飾り付だ!
イルミネーションはマジで大切!