にゃんこ男子は鉄壁を崩す


 伏し目がちな目に長い睫毛。少し茶色い髪は無造作にセットしてあるけれど、ダサすぎず、キメ過ぎず。それもこの子の服装が普通だからそう見えるのかも。顔の造りはかなり整っている。だけどキメすぎないその感じはジーンズに長袖Tシャツ一枚に秋用の黒と白のチェックのマフラー一本というシンプルな格好にある。

 レジが終わるまで観察していた私。彼のレジが終わると何事もなかったように私も会計を済ませる。彼はレジ袋にいろいろ入れなくてはいけないけれど、私はお弁当。お弁当の場合は店員が専用の袋に勝手に入れてくれる(マチのある袋でないと弁当の中身がよってしまうため)。


 だから、彼よりも私はスーパーを出ることになった。秋になるとさっきまで明るいと思っていた空が急に暗くなる。暗くなった道をトボトボと歩いていた。



 トボトボトボ……

 ヒタヒタヒタ……

 トボトボトボ……!!!

 ヒタヒタヒタ……!!!



 誰かついてきてる?



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