にゃんこ男子は鉄壁を崩す
目指そうか、ツンデレを
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仁衣菜ちゃんと駅で別れ、いつものスーパー『プラザISOGUTI』へ向かう。店内は帰りがけのサラリーマンやOLが意外にも多い。その中に私も入る。今日は何、食べようか。
生憎、サンマくんはもう季節じゃないのでいません。だとしたら? 一人で鍋でもするか。今の時代、おひとり様の時代よ。一人用鍋だってあるんだから。
えーと、鶏肉、しらたき、焼き豆腐に……玉ねぎと人参はあったな。春菊と焼き豆腐は次の日、味噌汁に入れればいいけど、しらたきともつはなぁ……味噌汁って感じじゃないし……入れたいところだけど大量に余りそうだ。
でも、大好きなのに。
しらたき片手に悩んでいると私の横に誰かが立った。ふと、上を見上げると……ってこれは私の願望だった。見上げるほど高くない。いや、横に立った彼は背が高いほうだと思うけどヒールを履いた私と並べば、ほんの5センチくらい彼の方が高いくらいだから目線はほとんど同じなんだ。
ね、小宮さん。
……決してミィコとは呼ばないわよ。
だってただのお隣さんだもの。