にゃんこ男子は鉄壁を崩す
「だから、どいて? お姉さん、変な人だね」
……脱いで、じゃなかったのか……
彼はトンと私の肩を抱いて横に避ける。彼はそのままマンションのエレベーターに向かって歩いていた。呆然と彼を横目で見る私。恐かったので手は胸の前で握りしめていた。スタスタと中へ入っていく彼をずっと目で追っていた。
だって! 同じマンションなんて思わないじゃん! つーか! 変人扱いされてるし!
「お姉さん、乗るの、乗らないの」
「の、乗るわよ!」
私は小走りにエレベーターに乗り込んだ。古いマンションなのでエレベーターが異常に狭い。3人ぐらいしか乗れなそうなエレベーター。4人なんて乗ってしまったら、ギュウギュウ詰めだ。
そのエレベーターにさっきの彼と私が乗った。