秋桜と千日紅【加筆修正済】
巴の意識はなかなか戻らなかった。

一日。

二日。

三日。

四日。

私は毎日、秋桜の花を持って彼の病室に行く。

「ねえ、巴。明日は私の誕生日だよ?早く起きてよ」

ひんやりとした巴の手を握って私は言う。

巴は必ず起きる。

だって巴は約束を破らないんだから。

絶対に守るんだから。
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