蛇の束縛

雅弘の元へ初めて行く日を、私はカレンダーにハートマークを付けて記した。

その日まで、雅弘は律儀に毎日電話をしてくれた。

私の学校の話。バイトの話。

雅弘は、いつもバイクの話をしてくれた。

本当に楽しそうに子供のように話をしていた。



『今更なんだけど、美穂の事「美穂」って呼んでいいよね?』


『いいよ、私も今まで通り「渋やん」って呼ぶから♪』



そして、最後はいつも決まった会話だった。

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