蛇の束縛

私達は、防波堤についた。

一瞬、背筋がヒヤッととした。

辺り一面、漆黒の海…

夜の海は、こんなにも怖いものかと思った。

そんな、私の雰囲気を察知したのか雅弘は



『夜の海って暗くて怖いけど、街並みが綺麗じゃない?』



そう言われ、周りを見渡すと街並みがキラキラして綺麗だった。

月明かりも海に映っていて幻想的だった。

海の中を覗いてみると、いかに透明なのかがわかった。

暗いながらも、微かな明かりでも魚が泳いでいるのが見えた。

季節は秋から冬の移り変わり。

冷たい空気が、顔をひんやりとさせた。

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