蛇の束縛

久しぶりに会うと照れくささがあり、雅弘の整った顔を見れない。

今日は天気もいい。



『海に行こう』



と雅弘は言い出した。

私達のいつも行く防波堤は、穏やかだった。

鴎が鳴き、打ち寄せる波の音。

雲ひとつない真っ青な空に、少し緑掛かった青い海。

暖かな空気

覗くと魚が沢山群れをなし泳いでいる。

一見浅そうに見える海も透明な海水は実は深い。

神秘的で、癒されるっていうのはこういう事だろう。

嫌な事を忘れさせてくれる。

雅弘の住んでいる所の海は本当に綺麗だった。

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