蛇の束縛
見慣れた雅弘の部屋についた。



『疲れた~』



ベッドに腰を下ろす私。


突然…、いつもより少し低めの雅弘の声がした。



『最近、なんで家に来ないの?』



『ごめん、いろいろ忙しくて…ι』



『他に男でも見つけた…?』



私は、思っても見なかった言葉に驚いた。



『えっ、そんな事ないし!どうしたの?』



『なかなか、電話通じないしメールは返ってこないし…』



『……』



何を言っても言い返せれて、気まずくなり席を立つ。



『ごめん、トイレ貸して』



怖かった…


雅弘の目が…


いつもの、笑うと目尻にシワが出来る優しい目じゃなかった。


笑っていない目が怖かった…
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