蛇の束縛

【どうしたんだろ…
私なんかしたかなぁ…】


一息つかせ、また雅弘のいる部屋まで戻る。

重い足取り…

ドアノブに手をかけた。
雅弘は誰かと電話しているようだ。

次の瞬間、背筋に嫌な汗が垂れた。



『あんた、誰?俺は美穂の彼氏だけど。
本当に女?友達なの?
名前は?
美穂と遊ばないでくれる。家に来れなくなるから。』



『………っ!? 』



『美穂は俺のだから返して』



【なっ、何…
何してんの?!】



愕然とした…

有り得ない…

雅弘は、私の携帯から友達に電話をしていた…



『ちょっ、な、何してんの!!』



『男かと思ったから』



私は言葉を失った。

そして、雅弘は当たり前のように私の携帯をチェックしている……
< 47 / 170 >

この作品をシェア

pagetop