蛇の束縛
【どうしたんだろ…
私なんかしたかなぁ…】
一息つかせ、また雅弘のいる部屋まで戻る。
重い足取り…
ドアノブに手をかけた。
雅弘は誰かと電話しているようだ。
次の瞬間、背筋に嫌な汗が垂れた。
『あんた、誰?俺は美穂の彼氏だけど。
本当に女?友達なの?
名前は?
美穂と遊ばないでくれる。家に来れなくなるから。』
『………っ!? 』
『美穂は俺のだから返して』
【なっ、何…
何してんの?!】
愕然とした…
有り得ない…
雅弘は、私の携帯から友達に電話をしていた…
『ちょっ、な、何してんの!!』
『男かと思ったから』
私は言葉を失った。
そして、雅弘は当たり前のように私の携帯をチェックしている……