蛇の束縛
『やめてよ!!』
ガバッと携帯をとり返す。
『見せないって事は何かあるんだろ。貸せって!!』
強引に奪い取られた。
そして、友達の番号などを自分の携帯に控えていた。
何も出来なかった…
怖さと信じてもらえない悔しさで、涙が出そうになった。
『こっち来て』
そそくさと布団に入り手招きをしている。
ためらいながらも言われるがまま布団に入るしかなかった。
『美穂と全然会えなくなって不安なんだ…
俺と友達どっち取んの?他に男いない?』
自然と私が腕枕する形になって、胸に顔をうずめながら雅弘は言う。
唇を噛み締め涙を堪える。
反論出来なかった。
好きだと言う気持ちもあったが、1人ぼっちの雅弘。
幼い頃、母親に甘える事もできずぬくもりに飢えている雅弘。
いろんな感情が複雑に入り混じっていた。