蛇の束縛


誰にも相談できず、不安や恐怖でいっぱいだった。



『美穂、もしかして妊娠してるんじゃないの…』


思いもよらない人物からの言葉。



母親だった。



定期的だった生理がこなくて不安に思っていたのだろう…

外泊が続き、彼氏がいるって事は知っていた。

母は、私にあるものを渡した。


「妊娠検査薬」


そして、母は優しい口調で残酷な事を言う。



『まだ高校生なんだし、もしそんな事になってるなら早く処理しなきゃ。』



頭が、カァーっとなった。私の気持ちは無視でとりあえず、早く処理しろって事なのね…


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