蛇の束縛
『先生、神崎さん目が覚めました。』
『麻酔足して!』
それでも、痛みは収まらない。
むしろ、意識がはっきりしてくる。
どうしようもない痛みだった。
お腹の中をわしづかみされているような苦しい痛みだった。
【助け…て…】
目をぎゅっとつぶりながら助けを求めた。
『どうだ。痛いだろう。これ以上に、お腹の赤ちゃんは痛いし苦しいんだぞ。もう二度と繰り返さないんだぞ。』
開いた足の向こう側から先生は言った。
【あぁ、これは赤ちゃんの痛み。ごめんなさい…本当にごめん…】
ものすごい罪悪感が私を襲った。
改めて、私はどんなにひどい事、残酷な事をしたのか思い知らされた。
処置後、今まで流せなかった涙が止まらなかった。