蛇の束縛
雅弘には内緒だった。



『煙草の吸う女は最低だ!!』



そう言われていたから。


雅弘との電話中、バレないだろうと『安定剤』に手を伸ばす。



『今日は学校どうだった?』



『…普通だったよ。』



『………。おい、煙草吸ってるだろう!!』



バレていた。



それからは、雅弘の罵声を浴びせられた。



『なんで、煙草吸う女は嫌いだって言ったのに吸ってんだよ!!』



『…別に…』



『別にじゃねぇだろ!!俺を裏切ったのか!!』



『……。』



黙る私。

裏切ったわけじゃない…
ただ、落ち着きたかっただけなんだ。

休まる時がほしかった…


< 75 / 170 >

この作品をシェア

pagetop