【短編】私はりんご



「こういう花が、スキなんだ。」




及川君は、答えてくれました。




及川君といえば、“無視の王様”だったのに…





「奇跡だ……」



「奇跡……?」



いつのまにか、声に出していたらしいです。




「ううん。なんでもない。」



必死に否定して。

首をブンブン振って。



「坂田……おもしろいな。」




及川君は、笑いました。



< 12 / 31 >

この作品をシェア

pagetop