【短編】私はりんご

「…うざいから無視したんだよ。最初は。」





何かが引っかかりました。


“最初”という言葉が。




「最初…?」




「そう。最初。
 でも、いつの日かな…?
 いつも、赤くなる奴がいたんだよね…」





赤くなる奴…



     私っ!?





「いつもりんごみたいで。
 でもその隣にはいつも決まった奴がいて。
  
 俺が
 その位置にいたいと思うようになった。」




私達だけしかいない、教室に。


その言葉が鳴り響きました。








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