『俺にしとけよ。』
***




こんなつもりじゃなかった。





あの後は…その場の雰囲気だった。





修を抱き締めたら、気持ちが行動に表れて、理性とか、なくて。





ラブホに行って…





激しく愛を伝えて…





1つになっちゃった…んだ。





今思えば違ったのかもしれない。犬が死んだとか。演技で、





私のこと上手いこと丸め込んで、抱いて、自分の欲求不満を発散したかっただけなのかも。





でも、修の…彼の…触れた唇が…胸が…頬が…熱かった。






ウソついて私のことを抱いたのなら、普通なら怒ってる。…はず…なのに…





私は修がまだ寝ているベッドを見、





ジーンズのボタンを留めて、愛を伝え合った痕跡にもう一度呟いた。




「…こんなはずじゃ…なかったのよ…」





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