『俺にしとけよ。』
***



「ガチの失恋だな。」







俺は落ち込みながら河原の芝生にダイブした。







『だな。慰めてやろっか?』







隣にダイブした親友の陸がサラリと言った。







「んな、軽く済ませんなよ。俺の10年越しの片想いが…」







言えば言うほど惨めだからか、なんだかムシャクシャして近くにあったコスモスをちぎった。







『分かってるつーの。けどさ、お前も悲劇だよな。10年片想いしてた幼馴染みにコクる前にふられて、』







「しかもかなが好きなやつは俺の兄貴。」







はぁっ、と短くついたため息が空に消えてく。







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