『俺にしとけよ。』
***




「はぁ…やっと終わったぁ…」





私は買うべきものを全て買って、t市駅前のカフェでひと休みしてた。





温かいミルクティーを一口すするとなんだか甘くて香り高い





落ち着く香りが口いっぱいに広がった。





「ん~!やっぱりここのミルクティーは最こ……」






…………え…?






ミルクティーをすすりながらおもむろに外を見ると街頭の下に立っている人影。





私はきっと幻だ、と思った。





あの優しい茶髪。




大きな手。







形の整った唇。





スラリと伸びた長い手足。





だって、だって…そこにいるのは…







「悠……」






私はその名前を呼んだ。





[ユウ]の二文字が、小さく震えるのを感じた。






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