『俺にしとけよ。』
『おいおい…何も泣くことないだろぉ?』





少し困ったように微笑む悠は私の心を更に捕らえる。






温かくて大きな悠の手が私をギュッと抱き締める。





その力が昔よりちょっと強くて、苦しいほどだった。






悠は『大丈夫か?』なんて言いながら






優しく頭を撫でてくれた。





『ったく…本当に世話が焼ける妹だなぁ。』





その言葉は、悠に一番近くて






本当は一番遠い言葉。







冬が近づく10月。






私はいつまで悠の温もりを感じていられるのかな?






ねぇ、悠。






私はいつまで悠の【妹】なのかな…?






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