『俺にしとけよ。』
その目が何かに揺れているのを俺は街灯の光のせいにした。







「いいよ。」






俺はチサの柔らかい唇にそっと触れるくらいのキスをした。






「じゃあ。」






キスを2回もするのは久々で何となくはずい。







『うん』







チサの返事を聞いてから俺はまた歩き出した。






でもその頃の俺は気づかなかったんだ。





チサがまた何かに揺れる瞳で俺の背中を見つめていたことを。






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