煮込み長靴
「いや、独身の四十代ってのは、どうかな?
四十過ぎて独身で高卒で建設業をやってて、なかなか結婚出来ずにうけ結婚は、あきらめてるんだよ。
それで、給料が出たらスナックに行くのだけが楽しみで唯一の趣味は、車をいじる事とかどうでしょう?
哀愁が、あるし孤独な感じが染みついてますよ
。」
橋本がそういうサイドストーリーを考えたが、有りがち過ぎではとも思えた。
しかし、四十代の独身って所には惹かれる。
俺達は、多少の年齢差は、あったが四十代の独身だからだ。
俺は食べながらストーリーを考えようと思いかなり良い感じになってきた長靴の切れ端を箸で摘まむとゆっくり噛んだ。
う~んゴムの味わいの向こうにバブルの抜けるような薫りを感じた。
この時代はバブルの頃だ。
俺達にも夢も希望も沢山あったのだ。