愛しの太ももサンタちゃん


「諦めていたんだけれど。トドメはミニスカサンタ」
「あの、あの。あのミニスカは足が太い私には最悪だったんですけれど――」

 彼の力んだ眼差しが、ルカに刺さった。

「いいんだよ、あれで。おまえは。俺、太ももが元気な子が好きなんだよ」

 えーー!? そういうフェチさん!?
 そんなところを気に入ってもらっただなんて、ルカは逆に複雑な思い。

 太もものミニスカサンタが、トドメだなんて。それ以外の私なんてどうでもよくて、その太ももだけで三年?? 頭が混乱してくる。

「えっとその、私ってその太ももだけなんですよね?」

「違う!」

 彼がバンとテーブルを叩いたので、ルカはのけぞる。

「何年、週3回、毎回毎回、店で働くおまえを見てきたと思っているんだ。小さな身体でころころ働くおまえを見ているのが癒しだったよ。疲れている俺の顔に気がついてくれるのもおまえだったし。ただ、どうしても仕事以上に踏み込めなかっただけで」

 そしてまた、彼がうつむいてぼそっと言った。

「あのミニスカサンタで、絶対誘うって決めた」
「そ、そうだったんですか……」

 としか、今はいえない。
 だってルカもまさかの告白に頭真っ白。

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