誘いの季節

深く、深く口付け、明良は月夜の全てを犯そうと月夜の細い肩と腰を抱いた。

明良に掛かっていた布団はすでに崩れ、椅子に座っていたはずの月夜は、寝台にいる明良に抱かれている。

彼の口付けは、まだ幼い月夜のそれと比べると酷く情熱的で、月夜は兄に身を任せるように明良の胸元を掴んでいた。

「月夜…気持ちいいか…?」

明良は唇を離し尋ねると、月夜の頬を撫で、白い喉を舐める。雪よりも白く、透き通るような首筋には、明良と対照になる位置に、星形のほくろがあった。

「はい、兄様。……すみません、こんなはしたない真似を…お許し下さい…」

恥ずかしそうに、けれどうれしそうに言う月夜に、明良も頬を緩め




「…大好き、愛してるよ。俺の月夜」




兄の唐突な告白に、月夜は驚いた顔をし、すぐに笑顔を見せ




「…僕もです。……僕の、僕だけの兄様……」




いつの間にか部屋は温まり、明良の体調も良くなった。ふたりはそのあとも暫く、互いの温もりを確かめるように抱き合っていた。



-End-
………?

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