気になるあの子はまひろちゃん。



ちょっとびっくりしすぎて、肩が大袈裟に跳ねる。



それからそっと振り返ると。



「うわぁー…、ショックだぁー…」



そこには頭に思い浮かんだ通り、ヘッドフォンを耳に当てたまひろちゃん。



まひろちゃんは俺の左手の上のミルクティーと同じ色をした髪をふわりと揺らして、自販機の前で眉根を深く寄せなにやら思案していた。



さっき廊下にでたときまひろちゃんがいないと思えばこんなところで見かけられるとは。



昨日といい今日といいなんだか最近はツイている、まひろちゃんのことに関しては特に。




と。


まひろちゃんは落胆した様子でかくりと肩を落として。


しばらくしょんぼりと自販機を見つめてから、諦めたようにため息を残して、くるりと自販機に背を向けた。



「ミルクティー……」



俺には全く気づいていないらしいまひろちゃんは、ため息混じりにそう呟いて。


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