気になるあの子はまひろちゃん。
もしかして、と自分の手の上のミルクティーに視線を転じる。
ぼー、とまひろちゃんに見入って気づかなかったけどきっとそうだ。
まひろちゃんはどうやら自販機で売り切れのランプを灯している、ミルクティーがお目当てだったらしい。
ていうか実際さっきも言っていた気がする。
「ミルクティー売り切れ⁈」って。
そうとわかれば。
ヘッドフォンのコードを指に巻きつけながら、廊下を歩き出していた華奢な背中を俺は急いで追いかけた。
あの、と声をかけようとしたとき。
まひろちゃんがふ、と足を止め振り返り、
俺に視線を止めた。