気になるあの子はまひろちゃん。
そっか、と伏し目がちに呟いて、照れたようにはにかんだ。
「そういうことなら、遠慮なくもらっちゃうね?」
俺が差し出したままにしていた左手からミルクティーを受け取ると、
まひろちゃんはとても嬉しそうにありがとう、と満面の笑顔をくれた。
__あ。奪われた。
ふいに撃ち抜いてきたそれに、じわじわと顔が赤に侵食されていくのがわかる。
やばい、と片手で隠した頬はもう既に、恋の熱を孕んでいた。
見ているだけのときとは違う。
気になるだけのときとは違う。
確かなそれを、確かに感じた。