気になるあの子はまひろちゃん。



キーンコーンカーンコーン……



昼休みの終わりのチャイムが丁度響いた。



「わ、もう鳴っちゃった!」



慌ててパックのなかのミルクティーを吸い出すと、まひろちゃんはぽい、とゴミ箱までパックを投げた。



きれいにゴミ箱に収まったパックを見届けて、

まひろちゃんは俺を振り返ると、じゃあまた後でね!と、セーターの少し長い袖に半分隠れた手をひらひらと振った。



「うん、またね」



また後でね。

その約束がどうしようもなく嬉しくなる。




手を振り返して、俺も同じようにパックをゴミ箱まで投げてみたけど、パックはゴミ箱の手前でぽてんと落ちてしまった。



こういうところがかっこ悪いんだよな、と自分で自分に苦笑した。







< 26 / 70 >

この作品をシェア

pagetop