気になるあの子はまひろちゃん。



次の日は憂鬱で仕方なかった。




いつも見る向かいの校舎のあの席も見なかった。


昼休みに自販機へ行こうか迷って、結局行けなかった。




まひろちゃんに会って、どんな顔をすればいいのかわからなかった。



昼休み、最近ずっと自販機へ通っていた俺が珍しく教室に居座っているのを見つけた祐一がひょいと寄って来た。



「涼が教室にいるー!
 なぁなぁ聞いてくれよあのさ〜」

「悪い、今テンションあがんねぇ」



前の席に腰を下ろして喋りかけて来た祐一にそう言うと、祐一が唇を尖らせてなんだよとブーイングする。



「最近お前機嫌ずっとよかったじゃん。
 今までは頼まれてたことぜーんぶほいほいOKしてたのに、最近はイエスノーも言えるようになってさ。
 なのに急にどーしたよ」

「は、俺、今までそんなやつだった?」



祐一の言葉に驚いて聞き返すと、うんうんと頷きが返って来る。


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